夫です。
夜勤いつもありがとう。
夜中に定期的に目を覚ますたろうの
お世話をするのは本当に大変だと思います。
感謝しております。
たろうは目を覚ますと寝ぼけた様子で
よく泣いてますね。
それ以外にも髪の毛を引っ張ったり、
顔を鷲掴みにしてきたり。
一見、攻撃的な行為に見えますが
もしかしたらこれは「相手を想う行為」
なのではないかと思う時があります。
「髪の毛が傷んでるね。ぼくが握りしめて
キューティクルの剥離を防いであげるね。」
「お肌がたるんできたね。
引っ張ってシワをのばしてあげるね。」
ひょっとしたらたろうには
そんな意図があるのかもしれません。
実際、僕が幼い頃に体験した
忘れられない思い出があります。
あれは僕が3歳くらいの頃でした。
その日、リビングで母と二人で並んで座り
アニメを見てました。
何のアニメだったのかは
忘れてしまいましたが、
登場人物のおじいさんが
亡くなるシーンでした。
アホだった僕はぼけーっと見ていたのですが、
おじいさんが亡くなると異変が起きました。
しくしく・・ぐすっ・・・
隣に目をやって驚きました。
お母さんが泣いてる!
あほな僕は死の概念や
死別の悲しみなどの感情が
いまいち理解できていませんでしたが、
母が涙を流す理由はアニメでおじいさんが
亡くなったからだという事は
なんとなく理解できました。
どうしよう・・
どうすればお母さんを
笑顔にすることができるだろう・・
しくしくと泣く母の隣で
僕は必死に考えました。
爺→死→悲→泣
この流れを変える事ができたら
母は泣かずにすむんだ・・・
必死に考え、そして閃いたのです。
この連鎖で「悲 」の部分が
「嬉」に変換されたらどうなるだろう?
爺→死→嬉→笑
笑う!
母笑う!!
そうか!
死を悲しむのではなく
喜びに変えればいいんだ!
いける!
いけるぞ!!
あまりにもアホすぎる考えでしたが
ぼくは即座に行動しました。
呼吸を整えて
母の顔を見上げ
出来る限り感情を込めて
微笑みながら言いました。
「おじいさん、
しんでよかったねぇ~!」
僕に迷いはありません。
悲しみを喜びに変えるのが僕の使命です。
「おじいさん、
ほんとにしんでよかったねぇぇ~」
間髪入れず、さらに続けます。
「よかったぁ。
おじいさんがし・・・」
スパァァンッ!!
一瞬何が起きたのかわかりませんでした。
視界にとらえていたはずの母が消え
世界が傾き、頬がじんじんと
熱くなっていくのを感じました。
ぶたれた・・?
母さんにぶたれたんだ・・!
なぜ?!どうして??
混乱しながらも体を起こし母を見上げると、
涙を浮かべて怒りと悲しみが混在した
なんとも言えない表情の母がそこにいました。
「何も良くないでしょ!!」
母は僕を睨みつけながらそう言い放ちました。
僕はうつむいたまま、
母の隣に座り直しました。
そして静かに泣きました。
ぶたれたからではなく、
思いを伝えられなかったからです。
くやしくて泣きました。
(違うんだ・・僕はお母さんに
笑顔になってほしかったんだ・・)
この経験は僕のその後の人生に
なかなかの傷となって残る事になりました。
30年以上経った今でも忘れられません。
もちろん母に非があるとは思っていません。
自分の子供がヘラヘラしながら
「しんでよかったね」なんて
言ってきたらゾッとします。
しかし、子供はまだ十分な
表現能力を備えていないため
間違った言葉を使ったり
間違った行動をしてしまうことは
多々あると思います。
間違った行為は当然
正さなければなりません。
家庭内で留まっていればまだいいですが
他人にまで迷惑をかけるような
ことになったら大変です。
あの時母がビンタしてくれて
本当によかった。
あの時は悲しかったけど、
母のビンタがなければ
今頃僕はお葬式で悲しんでいる
人たちを励まそうとして
「しんでよかったねぇー」
なんて叫び散らす
ヤバい人間になっていたかもしれません。
自分も親になった今、
子供の頃に体験した
この経験を活かして
頭ごなしに叱りつけたり
否定するのではなく、
その背景にどんな思いがあるのかを
汲み取って上げて
正しい方向に誘導してあげることが
大切だな、と感じています。
最後に
孫正義社長の素晴らしい
格言を置いときます。
「アイデアという物は
浮かんで直ぐに実行するより、
少し寝かせて熟成させた方が
いい場合が多い」
くぅー。刺さるー!
(3歳の時の自分 )
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